No.12 -

    




    
改めてコミティアありがとうございました。

以下、新刊の解説です。長いので畳みます。

元ネタ、インスピレーション元解説
まず、リミナルスペースやバックルーム、ドリームコアにめちゃくちゃハマりました。
無人で無機質で不気味な空間がずっと続いている、みたいなアレです。
関連するゲーム、映画等片っ端から見ました。出かけた先で無人の空間や室内の滑り台をみると写真を撮って集めました。
どうしてもこの空間から出られなくなりたくて、(+VRCを初めて、プールルームのワールドで自キャラの写真を撮りたくて)VRゴーグルを購入しました。これは不気味すぎて無事吐き気を催すほど最悪な気分になれたのでおすすめです。

それと、ピエロにもハマりました。
ただのピエロではなく、”可哀想な子の強制ピエロ化”です。
要するに、アメイジングデジタルサーカスのポムニとか、ランフレンのセバスチャンです。

また、変な家族にもハマりました。これも上記の2作品に影響を受けています。家族になるしかない、仲間を演じるしかない、みたいな状況です。
リミナルスペース系の映画を見る中で、1番ハマったのが映画ビバリウムです。無限に続くブルーグリーンのおんなじ家、等間隔にコピペして張り付けたような雲、匂いもしない、食べ物の味もしないけど、”理想的”な家と住宅街に囲まれて、この赤ちゃんを育てたら解放すると告げられたカップルの話です。おすすめの映画です。ミッドサマーより最悪でした。

美しくて完璧で汚れひとつない、本来遊ぶためのプールや通路や滑り台。でもそこに客はいないし、匂いもしないし、閉館後のように常に薄暗くて、そんな空間が無限に続いている。

絵を描いている途中、ずっと聴いていたプレイリストがあります。本編の流れに合わせてあるので、これ聞きながら読んで欲しい。いや、長いので、「アメイジングハッピーハロウィンナイト」と「virtualcastle」どちらかをループしながら読んでください。
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キャラについて
メインの子は名無しのコテキャラみたいなやつで(青白ツートンの青黒オッドアイ)、他の子はエンティティというイメージです。
以下キャラ詳細

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🎠Stagna(スタグナ)
ピンクと黒のツートンピエロ。人を楽しい気持ちにさせるパフォーマンスは全てできる(実際に楽しい気持ちになれるかは別として……)。

娯楽施設を模したルームに頻繁に出現する。体内からかすかにオルゴールの音がする。常に何かのパフォーマンスを行っており、対話はほとんどの場合できないが、ステージに誘い出して一緒に踊るなど、まれに積極的な行動を取る。

元人間。かつて誰を愛していたかは忘れてしまったが、今はあなたと踊っていたい。名前の由来はstagnation(停滞)

イメソン🎧: virtualcastle(Dios)

※これ聴きながら見開きの絵見てほしい



⚫️Noah(ノア)
危険度:
白い拘束衣の上からさらに黒いベルトで両腕を完全に縛られている。黒い2本の触手をもつ。イェルンと似通った外見を有しており、この2体はよく近くにいる。常に不気味な笑顔を浮かべている。時折親しげに近づいてきたりついてきたり、誘惑的な振る舞いを見せることがあるが、相手の装備品を奪ったり追いかけたりと危害を加えるのを楽しんでいる節があるので近づかない方が吉。

元人間。イェルンとの関係や過去は不明。
🎧イメソン: 極楽浄土(X0o0X)




💜Jorn(イェルン)
危険度:
滑り台を滑る、ボールプールで遊ぶなど静かな遊びを好む無気力な子。ノアのそばによくいる。ほぼ透明で景色のゆらぎでしか視認できないクラゲのような触手が頭上から伸びている。触れると刺されたような激痛が走るが、傷や後遺症はなく、布越しであれば痛みはない。

元人間。ノアとの関係や過去は不明。
🎧イメソン: 月下(X0o0X)




🟠Zane(ゼイン)
危険度:
深く傷の入ったオレンジ色のつなぎを着用し、膝当てやガスマスク等の装備を身に付けており、調査員のような姿をしている。
不明な団体に所属していたと思われるが、制服のワッペンは剥がされている。
個体の顔は常に影がかかっており、表情を読み取ることはほとんど不可能である。
迷い込んだ人にこの世界の仕組みについて説明したりルームを案内したり安全な場所で保護したりしてくれるが、まれに突然天井に向かって発狂する、寡黙になる、多弁になり不明な言語を話すなど、精神的な異常が見受けられる。

元人間。SDLに科学的な方法でアクセスできた唯一の組織の調査員。ルームを見て周り報告書を書く毎日。ルーム中に散らばる同僚の遺品と遺した調査報告書を集めている。
即死するレベルのルームでも難なく通過できることから既にその身体は異形化しているが本人に自覚はなく、自分の事を元の人間のままだと思っている。我に返ると発狂するので、胸元の大きく切り裂かれた致命傷を思い出させてはいけない。

🎧イメソン: ヘブンドープ(煮ル果実)

※超学生さんのカバー


🍀Cake(ケーキ)
危険度:不明
緑色のメイド服と、リードの繋がれたチョーカーをみにつけている。
正体不明。危険度不明。青空と草原の真ん中に大きな穴があるルームを何日も徘徊していると稀に姿を現す。常に笑顔で、助言のように次の行動を促すことがあるが、強制的な干渉はしてこない。

恐らく世界の成り立ちに由来していると思われる人物の1人。

🎧イメソン: Universe Cat Drowning

※ネクロファンタジアだけど…



🌎Simurev Dream Land

SDLへようこそ!この空間では楽しいプール、遊園地、愉快な仲間たちがあなたを家族として迎え入れ恐怖や不快感をもたらす可能性がありま


無限の空間と無限の出入口が続く世界。ひとつの空間につき1個以上の黒い”出入口”があり、そのゲートはほとんどの場合ランダムな空間に繋がっている。

シミュレヴまたはSDL。正式名称はSimulacrumReverie(シミュラクラムレヴァリエ)
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本の内容※ネタバレを含むよ
私は見知らぬ空間のプールで目が覚めた。
黒い扉を抜けてあらゆるエンティティに翻弄されながら、何日経っても不気味な空間から出られない。出口はないんだ。最後に辿り着いたのは美しい草原。ふらふらとした足取りで穴を見下ろしていると、緑のお姉さんに声をかけられる。「なぜ飛ばないの?」飛べと言われているわけではない。でも、歩き回っていてもどうにもならない。現状を打破するには。ここから飛ぶしかない。私には変化が必要だった。落ちたら死ぬかもしれない。元いた世界に出られるかもしれない。一歩を踏み出した。

ずっと続いていた浮遊感がなくなった。足元に浮き輪がとつんと当たった。私はプールで目が覚めた。畳む